財団概要

公益目的事業の概要

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 財団は、原子炉や加速器等から発生する粒子線等による先端的がん治療をはじめとする、各種放射線による疾病の治療並びに診断等、医用原子力技術の研究を推進するとともに、その普及を図ることにより、科学技術の振興を図り、もって人類の福祉向上に寄与することを目的として、平成8年3月に設立された。
各事業は、これらの放射線治療ならびに診断等、医用原子力技術研究の推進・普及、また、科学技術の振興を図るという、共通の目的を達成するために必要な事業と位置付けられることから一つの公益目的事業として実施している。

 わが国では、国民の2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで亡くなる時代を迎えているが、医用原子力技術は、診断・治療等のさまざまな医療の現場に深く浸透し、活用されており、国民生活にとって欠かせない重要な役割を担っている。しかしながら、一方では、まだ多くの解決すべき様々な課題を抱えていることも事実であり、その克服に精力的に取り組んでいくことが求められている。このような情勢を背景に、当財団は、医用原子力技術の利用研究の推進、国民への普及啓発、人材育成、プロジェクト・施設整備促進、調査分析、専門情報の発信、関連施設間の相互連絡調整、専門的技術支援、および医療施設等における放射線に係る機器の品質管理の支援等の各種事業を全国規模で展開しており、医用原子力技術の一層の発展、国民の健康と福祉の向上に貢献している。

普及啓発事業

医用原子力技術研究活動の普及・啓発のため、講演会の開催ならびに広報誌「医用原子力だより」の編集・発行、メールマガジンの発行等の事業を実施している。
 講演会は、平成16年から参加費無料で年1回開催しており、具体的内容・企画については、透明性と公平性を確保しつつ、幅広い分野の専門家、有識者の知見の反映のもとに、開催地、プログラム、企画、運営等について検討・決定している。内容としては、原子力(放射線)利用技術の医療分野への貢献の国民理解促進のため、粒子線がん治療、中性子捕捉療法、放射線によるがん診断、高度放射線治療等を取り上げ、平易且つ啓発的に広く紹介するものである。また、開催地に応じ、当該地域のがん戦略への取り組み、粒子線がん治療施設の普及を目指した地域活動などについても情報提供している。
 広報誌「医用原子力だより」は、財団の活動報告、粒子線治療施設の建設状況、粒子線治療・中性子捕捉療法についての解説記事、およびその治療を受けた患者体験談等を掲載し、年1回定期発行(無料)しており、会員、関連する団体・企業、財団講演会参加者、および希望する一般市民へ無料配布している。
ホームページでは、本財団の概要、実施している各種事業をはじめ、粒子線治療・中性子捕捉療法に関する解説・資料・施設情報等について広く社会に公表している。
 医用原子力技術関連の最新公開ニュース等を内容とするメールマガジンは、毎週水曜日に会員および購読希望登録者へ定期発行(無料)している。
 なお、これら広報・普及啓発活動等の具体的な進め方、内容の企画にあたっては、幅広い分野の専門家、有識者の知見を反映している。

また、国内ならびに海外の患者が、安心して重粒子線治療を受けられるシステムを確立するため、「粒子線がん相談クリニック」(平成24年11月1日開設)の運営、医療コーディネーター等との連携、「重粒子線治療ガイド」のホームページ公開、海外広報等、患者受入のための環境整備を行うと共にその実施に向けた患者支援体制構築に関し関係機関と連携・協力している。

人材育成事業

将来にわたって医用原子力技術を担い継承していく人材の育成のために、粒子線がん治療に係る人材育成事業、放射線医学オープンスクール、および国際重粒子線がん治療研修コース(ITCCIR)を実施している。
 粒子線がん治療施設に係る、放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士等の専門的知識・技術を有する人材育成のため実施した文部科学省委託事業(平成23年度終了)の経験、成果を活かした独自の事業として、粒子線がん治療に関する基礎的な人材育成セミナーを実施している。
 放射線医学オープンスクール(旧称:放射線医学見学ツアー)は、平成20年度より開始した事業で、医学部等の大学生を対象に、最先端技術である放射線医学の現場の見学によりその面白さ・素晴らしさに触れる機会を提供することを目的としている。医学部大学生で組織する「医師のキャリアパスを考える医学生の会」の自主的な企画・運営のもと見学先での全体概要、放射線診断・治療、粒子線治療等の講義、および施設見学の他、特別講演(より広い視野からの講演)や懇談会(見学先の医師等や参加者相互の交流)で、1泊2日のプログラムで構成されている。参加者からは、良好なアンケート調査結果が得られており、また、医学専門のネットメディア数社でも記事として取り上げられ、報じられている。 さらに、参加していない全国のより多くの学生および医療関係者にも講義・見学に係る記録を共有してもらい、理解を深めてもらうため、報告書を発行・頒布している。

 「国際重粒子線がん治療研修コース(ITCCIR)」は、重粒子線によるがん治療の先進国として国際貢献の役割を果たすため、国境を越えて世界の人々が恩恵を享受できる環境を確立していくことを目的に、海外の粒子線がん治療施設の医師・医学物理士・放射線技師等を対象に、関係機関と当財団の共同主催で1回/年実施している。期間は6日間、主にアジア諸国からの受講生30人程度を対象として、講義、実習および施設見学等の内容で構成している。

なお、研究助成および医学物理士研修支援は、休止している。

計画推進事業

粒子線がん治療、中性子捕捉療法等の研究開発、技術動向および施設立地構想やプロジェクトの進捗状況の情報を収集し、必要に応じ情報の発信、関連施設間の相互連絡調整等、施設整備促進のための活動を実施している。
 機器製造、設計・建設、運転・メンテナンス等各分野の専門家の参画による、「粒子線がん治療等に関する研究会」において、研究促進や技術普及にあたって解決すべき課題を専門分野から分析・検討するとともに、関係組織間の連絡、情報共有・交換の場を提供している。会合は、年数回実施しており、40~50名程度/回の参加者がある。
 また、中性子捕捉療法については、中性子捕捉療法実用化連絡協議会および物理工学領域分科会を設置し、国内で検討されている病院設置型BNCT加速器による実用化の進展のためのプロジェクト支援、広報活動ならびに諸課題への共通対応を進めている。

計測校正事業

わが国の医療施設等における放射線治療用線量の品質管理の適切な実施を支援するため、線量計校正ならびに郵送調査による治療用照射措置の出力線量測定をはじめ、周辺分野の各種事業を実施している。事業の実施においては、医療放射線監理委員会および部会を設置し、関係学協会の支援・協力のもと、研究面における評価や技術的な内容に関して、幅広い分野の専門家、有識者の監理・監督を受けている。
 治療用線量計校正事業は、平成16年4月より開始し、平成24年度より、従来の照射線量単位(空中校正)から世界的な標準である水吸収線量単位(水中校正)による校正体系の提供へ移行した。既に実施施設が全国824施設・シェア98.5%を占めるに至っており、増加する校正件数に対応するため、作業全般の効率化や業務用ソフトウェアの改善により、線量計校正手配システムおよび測定作業の簡略化を図り、「計量法校正事業者登録制度」(JCSS)認定下で、常に高品質の校正サービスを適正な価格にて提供できるよう、線量計校正体制の維持・改善を進めている。
 出力測定事業は平成19年11月より開始しており、照射野条件およびウェッジ条件の測定実施等内容の充実化を図ってきている。また、測定結果において異常が見られた場合は、医療施設への訪問調査を行うことにより、再度判定を行い不具合状況および対処方法などの説明・提案を行い、各医療施設の品質管理への意識向上に貢献している。さらに対象施設の拡大を図るため、関係省庁および学会等に対し、第三者機関による外部線量評価の重要性について理解促進のための広報活動を実施している。
 財団の計測校正事業は、国内で唯一のものであり、国民が安全で安心して適切な放射線治療を受けられるための第三者による校正サービスおよびチェック機能を果たしている。

調査分析事業

粒子線がん治療等医用原子力技術の発展に資するため、調査分析事業を、研究機関、地方自治体等より受託し、実施している。本事業は平成8年度より継続して実施しており、重粒子線治療に関する施設の概念、計画実現可能性、経済規模、波及効果、および導入計画の国内動向等をこれまでに実施し、普及のための基礎情報・資料等を提供してきた。これらの調査結果は、研究機関における技術開発の進展、粒子線がん治療施設の新規立地の促進等に活かされている。

技術支援事業

関係研究機関および医療施設における粒子線がん治療および周辺技術の研究開発等に対し、専門的な技術支援を実施し、円滑な事業の実施に協力している。これまでに、光子線治療の品質管理業務に関わる技術支援をはじめ、重粒子線がん治療用補償フィルター・患者コリメーター製作、治療用工作機械維持管理業務、患者固定具製作および装着補助業務、治療QAシステム(線量測定・評価装置等)の製作・据付、さらに、PET検査のリサーチナース業務・装置運転業務等を実施してきている。

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