放射線治療品質管理

受託要綱

※旧「受託要綱」についてはこちらをご確認ください。

第1条 (総則)

本治療用線量計校正業務受託約款(以下「本約款」という)は、公益財団法人医用原子力技術研究振興財団(以下「甲」という) と申込者(以下「乙」という)との間において、校正依頼品(次条において定義する。)の校正業務(次条において定義する。)を甲に委託し、甲がこれを受託する契約について適用される。

第2条(定義)

  1. 本約款の用語は、以下に定義するところを意味する。
    1. 「WEB受付」とは、校正業務の依頼申込用のWEBサイトによる受付をいう。
    2. 「甲所定の方法による校正」とは、一般に、指定の条件下において、測定標準によって提供される不確かさを伴う量の値と、それに対応する指示値との不確かさを伴う関係を確立する作業をいう。
    3. 「校正依頼」とは、WEB受付による校正依頼の申込みをいう。
    4. 「校正依頼品」とは、乙が甲に対して校正業務を依頼する放射線計測等の機器(乙が保有しているか否かを問わない。)をいう。
    5. 「校正依頼品確認シート」とは、甲所定の校正依頼品の確認を行うためのシートをいう。
    6. 「校正期間」とは、甲が校正業務を行う期間をいう。
    7. 「校正業務」とは、校正依頼品に対して、甲所定の卜レーサビリティ体系に基づき国家標準にトレースした標準器を用いた甲所定の方法による校正を行う業務をいう。
    8. 「校正契約」とは、甲及び乙との間で締結する個別の治療用線量計校正業務委託契約をいう。
    9. 「校正証明書」とは、甲が校正契約に基づき甲所定の内容で記載する校正の結果を記載した証明書をいう。
    10. 「校正証明書等」とは、校正証明書、校正結果、及び参考資料等を総称していう。
    11. 「校正料金等」とは、校正料金の他に初回の校正証明書等及び請求書等の発行事務手数料を総称していう。
    12. 「校正場所」とは、校正契約で定めた日本国内の校正作業場所をいう。
    13. 「請求書等」とは、請求書、納品書、及び見積書等を総称していう。
    14. 「トレーサビリティ体系」とは、一般に、測定結果が国際又は国家標準のような適切な標準に対して切れ目のない比較の連鎖によって関連づけられているという性質による体系をいう。
    15. 「付加物」とは、校正依頼品に取り付けられたケーブル、コネクタ、その他一切のものをいう。
  2. 本約款に定めのない用語は、業界の慣習に従って判断する。

第3条 (校正契約の成立等)

  1. 乙は甲に対し、WEB受付により校正依頼を行い、甲は乙に対し、電子メールにより承諾する旨を通知し、申込書及び校正依頼品確認シートの電子ファイルを送付した時点で、甲が承諾した内容をもって校正契約が成立するものとする。
  2. 甲における校正契約を統括する職務権限者並びに校正契約書及び校正証明書等の書類に記載する職責者名は、線量校正センター長とする。

第4条 (校正業務)

  1. 甲は、甲所定の方法による校正によって校正業務を行い、甲の有する技術水準に従って誠実に履行する。
  2. 甲は、校正業務を、原則として甲の線量校正センター及び校正場所において校正業務を行うものとする。
  3. 校正依頼品が複数ある場合、甲は、甲の任意で各校正依頼品を個別に校正するか、複数の校正依頼品をまとめて校正するかを選択できるものとし、乙はこれを異議なく了承する。
  4. 校正方法は、甲所定の方法でのみ行うものとする。
  5. 甲は、前各項により校正業務を行った場合、当該校正依頼品の設定等は第5条第1項における校正依頼品の引き渡し時の状態に戻して乙へ返却する。
  6. 校正期間は、原則として、校正契約において定めた期間とするが、乙が自己の都合により校正期間を変更する場合は、甲の承認を受けた上で、WEB受付より変更前の校正契約を一旦解除し、改めて変更する校正期間において校正契約の申込みを行うものとする。

第5条 (校正依頼品の引き渡し及び費用負担)

  1. 乙から甲への校正依頼品の引き渡しは、校正期間の初日の前日までに校正場所において行うものとし、校正場所までの運送については、乙の責任と費用負担において行うものとする。
  2. 前項の引き渡しを行う場合、乙は、乙の責任と費用負担において、付加物を取り外した状態(但し、当初から取り付けられている校正依頼品を防護するカバーやキャップ類は取り付けた上)で引き渡すものとし、当該校正依頼品に設定条件及びデータ (電子情報) がある場合には、乙の責任と費用負担において、あらかじめその設定条件及びデータについてバックアップ等の事前の保全措置を講ずるものとする。
  3. 乙は、第1項の引き渡しを行う前に、引き渡す校正依頼品が校正契約と相違ないことを確認し、校正依頼品確認シートに署名するものとする。乙は、甲へ校正依頼品を引き渡す際に、校正依頼品確認シート及び申込書(原本)を提出するものとする。
  4. 第1項の校正依頼品の運送及び引き渡しによる校正依頼品の故障、 破損及び紛失について、甲は一切の責任を負わないものとする。
  5. 第1項に基づき甲が引き渡しを受けた後、校正依頼品の状態の確認を行った際に、校正依頼品に付加物が取り付けられていた場合又は設定条件若しくはデータが残存する場合は、その付加物並びに設定条件及びデータの破損、消失、漏洩等に起因した損害が乙、その他第三者に生じたとしても、甲は一切責任を負わないものとする。
  6. 甲は、校正業務完了後、校正契約で定めた日本国内の場所において、同契約で定めた方法により、校正依頼品を乙に引き渡すものとする。
  7. 校正契約で定めた校正依頼品の引き渡しに要する荷扱料等一切の費用については、乙が負担するものとする。
  8. 前各項にかかわらず、甲は校正業務中に契約内容の不備及び校正依頼品の不具合を発見した場合、校正業務を中断し、直ちに乙と協議を行う。その結果、校正業務を中止する場合は、第4条第5項にかかわらず校正依頼品を中止した時点の状態のままで返却するものとする。なお、不具合の修理等は乙が行い、甲は一切の責任を負わないものとする。
  9. 甲は、校正業務中に校正依頼品が浸水した場合、直ちに乙に通知し、協議の上対応を決定するものとする。この場合、校正依頼品が浸水しないことを予め乙において確認することを校正契約の前提としているため、浸水による損害等に甲は一切の賠償責任を負わないものとする。
  10. 甲が甲の責めに帰すべき事由により校正依頼品を滅失又は毀損した場合、甲は乙と協議の上、修理可能な場合は乙が修理を行い、修理不可能な場合 (滅失時も含む) においては乙が校正依頼品と同等の物と交換するものとする。この場合、甲は、乙に対し修理又は交換に係る費用を支払うか、若しくは校正依頼品の商法上の簿価相当額を弁償するものとする。
  11. 前3項において、校正依頼品の故障等の不具合を修理する場合は、甲乙間の校正契約はその時点で解除となり、当該校正依頼品の修理後に改めて校正契約を取り交わすものとする。
  12. 乙の責めに帰すべき事由により、甲が校正業務を正確に行えない場合には、甲は、乙に対して、その旨を通知し、校正契約を解約することができる。この場合には、甲は、乙に対し、それまでにかかった費用及び履行の割合に応じた報酬相当額の支払を求めることができるものとし、乙は、甲に対し、校正業務の無償でのやり直し、校正料金等の減額、損害賠償その他一切の請求及び校正契約に基づく金銭債務を無効とすることができないものとする。

第6条 (検収)

  1. 乙は、校正業務が完了した校正依頼品について、甲から引渡しを受けた後、直ちに校正依頼品及び付加物の確認を行い、校正結果の内容(規格、仕様、性能その他校正依頼品につき乙が必要とする一切の事項を含む。以下、本条において同じ。)について確認事項がある場合は、甲に書面又は電子メール等で通知するものとする。校正証明書のWEB交付システムでの公開日(当日を含む。)から7営業日以内に、校正結果の内容について乙より通知がない場合は、当該校正業務は完了したものとみなす。
  2. 前項により校正業務が完了したとみなされた場合、校正依頼品の品質、種類及び数量等校正結果の内容について不備があったときであっても、乙は甲に対し、校正業務の無償でのやり直し、校正料金等の減額、損害賠償その他一切の請求及び校正契約に基づく金銭債務を無効とすることができないものとする。

第7条 (校正証明書等及び請求書等の発行)

  1. 甲は校正業務に付帯し、校正証明書等並びに請求書等を校正契約ごとに作成し、校正業務完了後に、乙に対しこれらを交付する。交付の方法としては、乙が甲のWEB交付システムからダウンロードすることで受けられるものとする。
  2. 乙は、前項に定める他、第9条で定める保存期間中に限り、前項の校正証明書等を無償にてWEB交付システムよりダウンロードできるものとする。但し、甲が、計量法第143条第1項に基づく登録を取りやめ事業を廃止した場合はこの限りではない。また、次項で定められた内容変更による再発行が行われた場合、従前の校正証明書等は無効となり、第9条の定めにかかわらずダウンロードができないものとする。
  3. 乙は甲に対し、初回発行が2年以内である第1項の校正証明書等の記載内容について、乙の責めに帰すべき事由により、計測データ以外の、乙に係る名称・住所等を変更して再発行を依頼する場合は、甲の定めた再発行フォームより依頼し、再発行手数料を負担することで有償で交付を受けることができるものとする。但し、再発行校正証明書は、発行No.に「-R」を付加(以降、再発行毎に"R"を追記)する。また、甲が乙より再発行依頼を受け、再発行開始の通知を乙に行った時点で、乙は再発行依頼の取り消しはできないものとし、甲の定めた再発行手数料を負担するものとする。
  4. 乙、その他第三者は、甲によって校正証明書に埋め込まれた、計量法施行規則第94条第2項で規定される標章の画像データについて、抽出、加工、その他の二次的操作を行ってはならない。
  5. 甲が乙に対し、発行する請求書等の発行元については、甲の組織名称を記載するものとし、代表者名の記載及び押印は行わないものとする。

第8条 (校正料金等)

  1. 甲が乙に対して請求する料金は、校正料金等を含むものとし、その金額は、校正契約において定めるものとする。
  2. 校正料金等の支払条件については、校正契約において定めるものとする。
  3. 乙は甲に対し、甲の校正料金等の請求時点の税法所定の税率による消費税額、地方消費税額を校正料金等に付加して支払う。
  4. 乙は、校正料金等の支払い時に発生する手数料の一切を負担する。
  5. 乙は、甲が請求書を発行した日の翌々月末までに校正料金等を甲に支払うものとする。

第9条 (校正業務完了後の校正結果の保証、保存等)

  1. 甲は、校正業務の完了した校正依頼品について、校正証明書の発行日以後も、校正結果の数値が誤差なく維持されることを保証するものではない。
  2. 甲は、校正証明書等は初回発行日より8年間WEB交付システムにて電子保存するものとする。

第10条(契約の変更及び解約)

  1. 乙は、校正契約の内容の変更を行う場合、甲が指定する期日までにWEB受付より変更手続を行い、甲は乙に対し、新たに申込書及び校正依頼品確認シートの電子ファイルを送付することにより校正契約の変更が成立する。
  2. 乙は、校正契約を解約する場合、甲が指定する期日までに、WEB受付より校正依頼の削除手続きを行わなければならない。但し、当該通知をした時点において、既に甲が校正業務(その準備を含む)を開始していた場合には、甲は、乙に対して、それまでにかかった費用及び履行の割合に応じた報酬相当額の支払を求めることができるものとする。乙が校正依頼の削除後に改めて校正を依頼しようとするときは、新たな契約において、従前に解約した契約に係る校正依頼品に代わる件数の保証等一切の内容は引き継がれないものとする。
  3. 甲は、自己の都合により校正契約の変更又は解約を必要とする場合は、乙に通知し、校正契約の全部又は一部を変更又は解除できるものとする。

第11条 (免責事項)

  1. 天災地変、戦争、暴動、内乱等の不可抗力、法令の制定又は改廃、 公権力による命令処分、輸送機関の事故、電力供給の停止、公衆通信回線若しくは諸設備の故障、その他甲の責めに帰すことのできない事由による校正契約の履行遅滞若しくは履行不能について甲は一切責任を負わないものとする。
  2. 前項において、甲は乙に対し通知の上、校正契約の一部又は全部を変更又は解除することができるものとする。
  3. 第1項により校正依頼品が滅失又は毀損した場合について、甲は一切責任を負わないものとする。

第12条(支払遅延損害金)

乙が、本約款及び校正契約に基づく校正料金等の支払を遅延した場合、乙は甲に対し、支払期日の翌日より完済に至るまで金銭債務の総額に対し年14.6%の割合 (1年を 365日とする日割計算) による支払遅延損害金を校正料金等とは別に支払うものとする。

第13条 (機密保持)

  1. 甲及び乙は、相手方の書面による承諾なくして校正契約に関連して知り得た相手方固有の技術上、営業上その他業務上の機密を、校正契約期間中はもとより、校正契約終了後も第三者に対しては開示、漏洩しないものとする。なお、甲及び乙は、機密情報を相手方に開示する場合には、機密である旨の表示を行うものとする。
  2. 前項の規定は、次の各号に該当する場合は適用されない。
    1. 開示の時点で既に公知のもの、又は開示後情報を受領した当事者の責めによらずして公知となったもの。
    2. 開示の時点で既に相手方が保有しているもの。
    3. 第三者から機密保持義務を負うことなく正当に入手したもの。
    4. 正当な権限を有する第三者から開示されたもの。
    5. 法令や公的機関の規則等により開示が要求されたもの。但し、各当事者は当該要求を速やかに相手方当事者に通知するものとし、当該機密情報の機密を保持するために、合理的にとりうる手段があるときは、その手段をとるベく努力するものとする。

第14条 (債務不履行など)

乙が次の各号の一つに該当した場合、甲は催告をしないで通知のみにより校正契約の全部又は一部を解除することができる。この場合、乙は期限の利益を喪失し、甲に対する未払の金銭債務全額を直ちに支払い、甲になお損害があるときはこれを賠償する。

  1. 支払を1回でも遅延、又は本約款及び校正契約の各条項に違反したとき。
  2. 校正契約以外の甲乙間の契約に違反があったとき。
  3. 支払を停止し、又は手形、小切手の不渡り報告、若しくは電子記録債権の支払い不能通知があったとき。
  4. 保全処分、強制執行、滞納処分を受け、又は破産、会社更生、特別清算、民事再生手続き、 その他これらに類する手続き等の申立てがあったとき。
  5. 事業を休廃止し、又は解散したとき。
  6. 事業が引続き不振であり、又は事業の継続が困難であると客観的事由に基づき判断されるとき。

第15条(損害賠償)

  1. 甲又は乙は、本約款又は校正契約に違反したことに起因して相手方に損害を与えた場合、その損害を賠償するものとする。但し、甲又は乙に故意又は重大な過失があった場合を除き、校正契約に定めた校正料金相当額を上限とする。
  2. 甲又は乙は、校正契約の履行に関し、その責めに帰すべき事由により、第三者に損害を与えた場合、その責任が明確な場合は、その当事者が賠償する責任を負うこととし、不明な場合は、甲乙協議の上決定する。
  3. 乙による校正契約の変更に起因して、甲に損害が発生した場合は、乙は、甲に対し、校正契約による校正料金相当額を上限として、その損害を賠償するものとする。
  4. 乙による校正契約の解約及び当該削除手続を怠ったことに起因して、甲に損害が発生した場合は、乙は、甲に対し、校正契約による校正料金相当額を上限として、その損害を賠償するものとする。

第16条(反社会的勢力の排除)

  1. 甲及び乙は、現在及び将来にわたり、自ら及び自らの役員が次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、保証する。
    1. 暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者 (以下これらを暴力団員等という)。
    2. 暴力団員等に経営を支配され、又は経営に実質的に関与されていると認められる関係その他社会的に非難されるべき関係にある者。
    3. 自己若しくは第三者の不正利益目的又は第三者への加害目的等、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係にある者。
    4. 暴力団員等への資金等提供、便宜供与などの関与をしていると認められる関係にある者。
    5. 犯罪による収益の移転防止に関する法律において定義される「犯罪による収益」 にかかる犯罪 (以下犯罪という) に該当する罪を犯した者。
  2. 甲及び乙は、自ら又は自らの役員若しくは第三者を利用して次の各号の一にでも該当する行為を行わないことを確約する。
    1. 暴力的又は法的な責任を超えた不当な要求行為。
    2. 脅迫的な言動、暴力を用いる行為をし、又は風説の流布、偽計若しくは威力を用いて相手方の信用を毀損し、又は相手方の業務を妨害する行為。:
    3. 犯罪に該当する罪に該当する行為。
    4. その他前各号に準ずる行為。
  3. 甲又は乙が前2項に違反したときは、契約違反に該当するものとし、相手方は、催告のみならず通知も行なわず校正契約を直ちに解除することができる。これにより違反した当事者に損害が生じた場合にも相手方はなんらの責任も負担しない。加えて、違反した当事者は、相手方に対する一切の債務に付き期限の利益を失うものとする。
  4. 本条による契約解除は、第15条による損害賠償を妨げない。

第17条 (裁判管轄)

甲及び乙は、校正契約についての一切の紛争が、訴額のいかんにかかわらず、東京地方裁判所又は東京簡易裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とすることに合意する。

第18条(協議事項)

本約款に定めのない事項又はその他に疑義が生じたときは、甲と乙が協議して定めるものとする。

第19条 (附則)

  1. 本約款は、2024年1月9日以降に締結される校正契約について適用される。 なお、甲は、必要に応じて本約款の内容を改定できるものとする。その場合において、改定する内容は、甲のWEBサイト(https://www.antm.or.jp/)にて掲示し、乙へ周知するための一定の期間を設けた上で、発効するものとする。
  2. 前項により本約款が変更された後に甲と乙が校正契約を取り交わしたときは、乙は本約款の変更を承認したものとみなす。

附則 この約款は令和6年1月9日から適用する。